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" 4月22日に一本松の枝を採取。そこからクローン増殖による育成と、種子からの育成による方法で後継樹育成の取り組みを開始。
(1)クローン増殖による後継樹育成
“希望の松”そのものを後世に残すため、接ぎ木、挿し木、そして組織培養などクローン増殖による育成 を試みました。その結果、接ぎ木によるクローン増殖に成功いたしました。増殖に成功した接ぎ木苗は、現在、順調に生育しております。
挿し木と組織培養による増殖も芽の展開までは辿り着きましたが、残念ながら途中で枯れてしまいました。マツの挿し木は、若木からの成功例はありますが、老
齢木からの挿し木は不安定で、確実に成功できる方法は未だに開発されておりません。また、組織培養による増殖については、世界的に見ても成功例がなく、開
発が望まれております。
(2)種子からの実生苗(みしょうなえ)の育成
種子については、樹上に辛うじて残っていたまつぼっくりを収集し、それらから種子を採集し育成することを試みました。
2011.4
・ 一本松の樹上に残っていたまつぼっくりを収集。
・ 筑波研究所に持ち帰り詳細に観察したところ、大半はすでに飛散しており、通常種子のある部分には種子が全く残っていないことが判明。さらにまつ
ぼっくりの根元部分をよく観察したところ、飛散できずに内部に残っている種子を発見。まつぼっくりを丁寧に解体し、種子を回収する。回収できた種子は全
25粒。内3粒を実験的に播種(種をまく)するが、全く発芽は見られなかった。
・ 発芽しなかったのは、種子の中身が充実していないか、冬眠状態から起きていないことが考えられたため4℃の低温処理を実施(約6ヶ月間)。
2011.9
・ 6ヵ月後冷蔵庫から種子を取り出し、実験的に5粒の種子をシャーレの中で播種し、人工気象室内(植物の育成試験のために、照度・温度・湿度を調節できる施設)で育成。2週間後に発根と発芽を確認できた。
2011.11
・ 発芽した種子は育苗培土に移植しても、順調に生育し、残った17粒を播種したところ、13粒で発芽を確認。
2011.12
・ 接ぎ木から3本のクローン苗、種子から18本の実生苗を得ることができ、合計22本の苗木の育成に成功。
■樹体内の塩分分析
“希望の松”が、どの程度海水を吸収してしまったかを明らかにし、その影響を予測するために、樹体内の塩分分析を行いました。分析では、採取した枝や葉の
成分を抽出し、イオンクロマトグラフィーという分析機器を使用しました。また、比較として、岩手や千葉の海岸に生えているマツや、内陸のつくば市に生えて
いるマツから枝葉を採取し、塩分の分析を行うとともに、文献からのデータ収集を行いました。
その結果、“希望の松”は塩分を吸い込んで
いるとは考えられず、塩分による影響は少ないと推測されました。“希望の松”は残念ながら枯死が避けられない状態ですが、今回の分析結果から、枯れた原因
は塩分ではなく、長時間水に浸かっていたことにより根が腐ってしまったためと推測しています。
■今後の取り組み
(1)“希望の松”の苗
“希望の松”は、恐らく根腐れにより、残念ながら枯死がさけられない結果となり、この松そのものを救うことは断念されることとなりましたが、当社グループ
では、接ぎ木苗と実生苗を陸前高田市からお預かりした希望の光として、今後も大切に育成し、将来は陸前高田市の復興のシンボルツリーになればと考えており
ます。
(2)マツの増殖技術
今回のマツに限らず、マツの名木の保護や増殖の依頼が増えてきているため、当社グループでは、今後も挿し木や組織培養による増殖技術の開発を進めていく予定です。"